TeXの部屋

数学教材をTeXを使って作成するときの参考になる,いろいろな情報をまとめました。

TeXを活用して数学の教育ロードを駆け抜けよう!

(注) モバイル利用(Android)でのメニュー選択は、 SiteMapを利用するか、 または「長押し」から「新しいタブを開く」を選択してください。
■「TeX」による数学教材の作成  [Map]


[御案内] 数学の教材プリントを作成するには,できればTeXを利用すべきでしょう. ここでは,TeXの利用法について紹介します. 横書き・縦書きの通常文書からグラフや図形の入った数学教材, あるいは返り点付きの漢文から楽譜まで, 使用できるフォントも亀甲文字等の言語フォントから絵文字まで, すべてがTeXで利用可能です. TeXの総合情報サイトは TeXWikiです。
★角藤版TeX(W32TeX)は配布終了となり(2021.06)、今後は「TeX Live」に一本化されるようです。

(特記:LuaTeX)
 本サイトは「pLaTeX」の利用を前提としますが、 「TeX」には「いろいろなTeX」があります。 「LuaTeX」を利用すると、 DVIファイルを生成することなくPDFファイルを直接出力することができます。 さらには、全世界の文字を統一的に管理する文字コード規格Unicodeを扱ったり、 TrueTypeフォントのみならずJIS第2水準を超える文字や 絵文字・諸外国の文字などのOpenTypeフォントの扱いも容易です。 図形描画ソフトであるMetaPostを利用したり、 Lua言語を利用してCコンパイラーや Maximaなどの外部アプリを起動させることもできます。
 つまり、直接PDFで出力したい、 いろいろな言語を扱ったり多様なフォントを扱いたい、 MetaPostを利用して図形を作成したい、 あるいはCコンパイラーや数式処理等の外部アプリを利用したい、 というような必要性が強い方は、 「LuaTeX」を利用するのがよいようです。
 なお、日本では「pLaTeX」の利用が主流と思われますが、 Windows版のTeXとして広く利用されてきた 角藤版のTeX(W32TeX)は配布終了となりました(2021.06)。 TeXの機能がいろいろ拡張される中では、 「pLaTeXが本格的にやばいかもという話」も出ているようです。


(TeXによる図形とグラフの作成)
サブメニューでは、 「TeX」で図形やグラフを作成する場合のツールを解説しました。 このような図形の作成では、 プレゼンツール「Beamer」の開発者により作成された 「TikZ」(ティクス)が主流のようですが、 日々の数学教材の作成では下記の「emath」と「MePoTeX」があれば 十分なのではないかとさえ思えます。 いずれも、日本の中等教育に関わる数学の先生により作成されたものなので コマンド体系が分かりやすく、 教材作成上のかゆいところに手が届くような工夫がいたるところでなされています。
  • emath利用によるグラフ作成
     TeXによる数学プリントの作成では、「emath」は必需品だと思います。 数学のプリントを作成するときに、 「この部分は〜のようにしたい」と思うことが悉く実現されているといっても 過言ではありません。その使い方を解説しました。
  • MePoTeXによる図形グラフの作成 [概要1概要2]
     TeXの中で空間図形や曲面の描画ができるマクロパッケージにMePoTeX があります。これは、TeXをインストールすると自動的に組み込まれる 図形描画アプリ「MetaPost」を利用して、 図形のアフィン変換やパラパラ漫画の作成もできます。 たとえば、下記のような図を「emath」と類似のコマンドで簡単に 作成できます。最後のものは球面調和関数 \(\small Y_2^0\) です [概要]。

  • gnuplot利用によるグラフ作成
     3Dグラフや離散グラフを含む多彩なグラフを、 TeXで利用できる画像ファイルとして保存することができます。 理工系の論文作成でも利用されているアプリです。

★このページには数学絡みで訪れる方が多いと思われますが、

  • 世の中の多くの事象は「正規分布」ではなく 「ベキ分布」に支配されているようです。
  • ベキ分布:リンク集」を 作成したので参照してください。


[お知らせ] 下記を出版しました。 いろいろな式や微積などの計算問題の答えや、 関数のグラフ確認をするとき非常に重宝します。 フリーソフトなので、一度試してみてください。 コマンドはAndroid版もPC版も同一なので、 iPhoneを所持している方はPC版のコマンドレファレンスとして利用することができます。

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■ 「TeX」って、何ですか?
「TeX」は「テフ」とか「テック」と呼ばれています。 「TeX」と書かなければならず、「TEX」や「tex」と書いてはいけません。 数式を綺麗に印刷出力するために、 コンピュータ科学者として著名な クヌース先生が考案したもので、 もともとは数学や物理研究者の論文記述言語として始まったものです。 しかし、TeXを利用すると印刷所並みの組版・出力が容易に可能になるので、 現在では、註釈付きの漢文から楽譜まで、多方面でTeXが利用されています。 使用できる文字も、亀甲文字からヒエログリフまで何でもOKです。 漢文出力用の漢文エディターまであります。 文字や図形をグルグル回転させることまでできます。 著者がTeXで作成した原稿を、直接、そのまま 印刷・出版するケースも増えています。

■ TeX に関する入手先は?
TeX はフリーソフトであり、 FTPサイトから無料でダウンロードしてインストールできます。 Unix版、Windows版、Mac版があり、Android版やiOS版もあるようです。 ダウンロードが面倒なときは、 TeXに関するCD付の(最新版の)書籍を購入すればよいでしょう。 下記を参照してください。
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■Web上で利用できる「TeX」
TeXのシステム一式を自分のパソコンにインストールするのは、 ファイルの数やサイズがかなりの大きさになり、 実際に利用できるような環境を構築するにそれなりのハードルがあります。 そのようなとき、「TeX」とはどのようなものなのかを、 TeXをインストールしないでWeb上で利用することができます。
  • TeXを使ってみよう
    奥村先生のサイトです。 TeXがどんなものかをオンライン上で簡単に試すことができ、 TeXのコードを打ち込んでPDFを生成することができます。 ただし、ちょっと試してみるためのものであり、 本格利用を目的としたものではありません。 TeXを使える方は、 Web接続さえできれば数頁程度の資料は作成できるでしょう。 具体的には、次のような操作になります。
    1. TeXのコードを打ち込んで「PDF生成」を押す。
    2. 「処理結果」のページが開いて、 「.log」ファイル(テキストファイル)の内容とPDFのファイル名が表示される。 DVIファイルのファイル名も表示されるが、 そのファイルはTeXがインストールされていないと表示できない。
    3. スペルミスや構文ミスなどのエラーがあるときは、 冒頭に「!」が付されてエラーの内容(英文)とエラー箇所が表示される。 エラーがあるときは、 「TeXを使ってみよう」のページに戻ってエラー箇所を修正して、 再度「PDF生成」を押す。
    4. 「処理結果」の画面に「!」が付いた行が表示されないときは、 エラーがなく処理されたことを示している。 行末に表示される「PDF」をクリックすることで結果を見ることができる。
  • Overleaf
    利用登録すると、オンラインでTeXを本格利用できるようです。 使い方は下記を参照してください。
  • Cloud LaTeX
    学生の就職情報サービスを行っている(株)アカリクが提供するサービスで、 利用登録するとオンライン上でTeXを本格利用できるようです。
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■ iPadで「TeX」環境構築
TeXのMacOS版はありますがiOS版はありません。 しかし、iPadにUnix環境を構築すれば、iPadでもTeX環境を構築できるようです。 そのためには、まず、iPadでUnixコマンドを利用するための ターミナル環境を構築する必要があります。 手順としては、次のようになるようです。 TeXにある程度慣れていて、すでにiPadを所持しており、 さらにはUnixコマンドをある程度使いこなせる方は試してみるとよいでしょう。
  1. iPadでUnixのターミナル環境を構築する無料アプリ「iSH」をインストールする。
  2. iSHを立ち上げて、その上で、TeXLiveをインストールする。
  3. Vim、Emacs等の好みのエディターをインストールする。
    TeX専用エディターとして「TeXPad」「TeX Writer」(いずれも有料)があるようです。
  4. 以上で、iPadでも、通常のTeX生活が可能になる。
下記も参照してください。
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■ TeXの使い方が分かりません。
TeXは一つのプログラム言語のようなものなので、 それを使いこなせるようになるにはプログラミングに関する感覚が必要です。 BASICなりHTMLを使える方は、 特に問題なくTeXで文書を作成できるようになると思われますが、 それらの経験がなくてTeXを使おうとすると、ちょっと大変かもしれません。

最近は、TeXに関する書籍も多数出版されているので、 それを参照してください。昔からの定番本は下記です。
他にも多数の書籍が出版されています。 ネット情報だけで理解したいのであれば、 TeXに関して解説しているサイトも多数あります。 たとえば、下記のようなサイトを参照してください。
(注) 下記サイトの多くは、TeXのインストールに「TeXインストーラ」が 利用されていると思われますが、Windows版のTeXとして広く利用されてきた 角藤版TeX(W32TeX)は配布終了となりました(2021.06)。 それにともない、「TeXインストーラ」のダウンロードもできません。 これからのTeXは、「TeXLive」を利用することになります。 インストールの仕方は「TeX Wiki: TeX入手法」を参照してください。
  • TeX/LaTeX入門
    TeXのインストールから具体的な使い方までが説明されています。
  • TeX入門
    TeXのインストールから具体的な使い方まで、分かりやすく解説されています。
  • LaTeX文書
    明治大学の水谷正大先生のサイトで、LaTeXによる文書作成の方法について説明されています。
  • 情報科学屋さんを目指す人のメモ
    TeXを導入してPDFファイルを作成するまでの過程が説明されています。
  • 文系マカーにも使えるLaTeX
    TeXが文系の人向けに解説されています。
  • pTeX環境における数式文書作成
    数式文書やグラフの作成方法について具体的に解説されています。 emathの使用例も紹介されていますが、ちょっと古い使い方になっているようです。 emathの最新情報はemathWikiを参照してください。 また、本サイトの「emath利用によるグラフの作成」 も参照してください。
  • TeX
    TeXのインストールから具体的な使い方までが簡潔に説明されています。
  • 好き好きLaTeX2e初級編[PDF]
    個人による400頁超えの解説書です。 MyTeXpertも参照してください。
  • いますぐ始めるLaTeX
    エンジニア向けのブログで、 「Begin LaTeX in minutes (Luon Vo Tran Than)」の内容が、 著者の了解を得て翻訳・掲載されています。
  • TeXの使い方[pdf:40頁]
    京都大学情報科学演習での資料です。 TeXの概要から主な使い方、画像の処理、カウンタの制御方法、マクロの書き方、新たな環境の定義の仕方等にいたるまで解説されています。
  • TeX講習会資料[pdf]
    都数の数学教員向けに行われたTeX講習会の資料が公開されています。47頁あります。
  • TeXの使い方と書き方
    どのように書くべきか、具体的・簡潔に説明されています。
  • 使ってはいけないLaTeXのコマンド・パッケージ・作法
    TeXは常に進化し続けているので、コマンドの使用法にも留意する必要があります。 今では「古いやり方」が説明されています。
  • LaTeX 論文執筆メソッド
    理工系研究室に配属された学生向けに LaTeX の使い方が解説されていますが、 初心者向きではないと思われます。 ある程度は使いこなせていると思う場合に閲覧するとよいかもしれません。
  • 初級者向けLaTeX実力テスト〜キホン編〜
    LaTeXをある程度使ってきた方は、自分がどの程度のことまで分かって使っているか、 試しに実力テストを受けてみてはどうでしょうか。
何となく理解できても、実際にコマンドを打ち込むのは面倒です。 TeXの統合環境や、TeXの入力支援エディターなどを利用すれば、 必要最小限の入力でTeXの文書を作成することができます。

統合環境は、WindowsであればTeXWorks、macOSであればTexShopが 定番のものです。これらは、TeXをインストールした段階で附属してきます。 私自身は、エディターにTeXマクロを組み込んで利用しているので、 統合環境は使用し たことがありません。 また、TeX専用エディターとしては、 オープンソース、フリー、シェアウェアのものなど多数のエディターがあります。
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■ スタイルファイルの入手先は?
  • Comprehensive TeX Archive Network
    通称、「CTAN」と略称されるTeXの総本家(英語)です。 TeXに関してあるレベル以上の知識を持ち合わせている場合は、 このサイトからいろいろなTeXマクロをダウンロードすることができるでしょう。
  • Bear-Collections
    いろいろなスタイルファイルが登録されています。東北大学のサイトです。
  • LaTeXのマクロやスタイルファイルの利用
    「Bear-Collections」にある各スタイルファイルの利用法が 解説されています。
  • LaTeXのスタイルファイル等に関連して
    「Bear-Collections」の作成者のサイトです。
  • 湘南情報数理化学研究所
    藤田眞作先生が所属する研究所です。ご専門は「化学」で、 TeXで化学構造式を作成するためのパッケージが公開されています。 さらには、日本語縦組みのためのパッケージやTeXのマクロの書き方などのファイルも 公開されており、TeXを満喫することができるでしょう。

■ amsmathの数式表現にはどんなタイプがあるのですか?
amsmathを利用すると、通常のTeXによる数式表現よりも、 もっと多彩な表現が可能になります。 たとえば、下記を参照してください。
  • amsmathの数式環境まとめ
    いろいろなパターンについて、 下記のamsmathの使用ガイドをもとに説明されています。
  • LaTeX/amsmathによる数式環境を見本付きで
    いろいろな数式環境について、見本付きでまとめられています。
  • matrix環境+array環境
    pmatixなどの行列環境は中央寄せが標準であり、 array環境のように左寄せや右寄せの指定ができません。 かといって、特定の行列だけarray環境で書き直すのは面倒です。 そのようなとき、プリアンブル部分に「おまじない」を書き入れることで、 matrix環境でもarray環境のような指定ができるようになります。
  • User's Guide for the amsmath Package
    アメリカ数学会による使用ガイド(40頁)です。 英文ですが、使用例と出力例があるので、 それを眺めれば使い方が分かるでしょう。
  • LaTeX amsmath(記号)
    amsmath.styに登録されている多種多様な記号についてまとめられています。
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■ 図形やグラフの描き方は?
TeXの出力ファイルに図形や関数のグラフを含めたいとき、 簡単な線図であればpicture環境を利用して作成することができますが、 関数のグラフなどになってくるとpicture環境で作成するのは難しくなってきます。 そのような場合、「emath」に関するスタイルファイル群を利用すると、 TeXのソースファイルに直接書き込むことができます。 図形部分だけを他のアプリで作成しておいて、 TeXの中に取り込むこともできます。 フリーで利用できる多数のアプリがあります。

特に、TeXをインストールした段階で、 そのような図形作成アプリ「MetaPost」が 「\bin」フォルダーにすでに含まれています。 フォントを作成するアプリ「Metafont」は、 いろいろな図形を組み合わせて一つのフォントを作成していますが、 その機能を図形や関数のグラフ描画に特化したアプリが「MetaPost」のようです。

私は、TeX用の描画用パッケージは長年「emath」のお世話になってきました。 3Dグラフが必要なときは「gnuplot」を利用してきました。 しかし、最近は「TikZ」 (ティクス)が世界中で広く利用されていることを、 遅まきながら令和3年2月になって初めて知りました。 TikZの概要を眺めてみましたが、 コマンド体系はemathの方が使いやすいように感じられました。 また、Metafontから派生した描画アプリ「MetaPost」を使いやすくした 「MePoTeX」というパッケージがあることを知りました。 emathとは独自に開発されているようですが、 emathのようなノリで冒頭で紹介したような3Dグラフを描画でき、 画像をghostscriptを経由しないEPSファイルで出力することができます。 しかし、使用法を解説したサイトは皆無のようです。 そこで、知ったばかりなのですが 「MePoTeXの解説ページ」を 新設しました(2021.02.26)。関心を持たれた方は参照してください。

スタイルファイル「emath」
  • emath
    このスタイルファイルは、 数学教材を作る上では必需品というべきでしょう。 図形、グラフ、増減表などを簡単に作成することができます。 曲線の交点を通る接線を、交点の座標を求めることなく描くことができます。 式の計算でも、整式の除法や組立除法を自動的に行ってくれるコマンドも あります。 詳細なマニュアルが同包されており、多数の具体例について TeXのソースと出力結果が対比されています。 最新版の情報は、下記の「emathWiki」にまとめられています。
  • emathWiki
    emathの400頁を越える膨大なマニュアルが、 項目別、内容別に整理されて登録されています。 どのようなことが可能かは、たとえば 左側のメニューの「索引」の箇所で「五十音順」の箇所をみてください。 気になる項目をクリックしてみるとよいでしょう。 「emath講座」では数学の項目別に整理されています。 具体的な教材例は、「中学校数学」や「高校数学」にあります。 ただし、グラフ描画は「Perlと連携」 させることが前提となっています。 その連携がなされていないときは、\usepackageに「emathOld」も 追記してください。
  • emath利用によるグラフの作成
    emathを利用した関数グラフや図形の作成手順についてまとめてみました。 上記の「emath」や「emathWiki」を 見てもよく分からないときは、参考にしてください。
図形作成アプリ
  • gnuplotによるグラフの作成
    gnuplotの利用法と、作成した図形のTeXへの取り込み方について解説しました。
  • WinTpic
    画面で確認しながらグラフや図形を作成して、 TeXのファイルとして保存することができます。
  • ngraph GRAPES GeoGebra Cinderella
    これらのアプリも、グラフを描いてTeXのファイルに変換することができます。
  • EPS-draw
    「お絵かき」ソフトの感覚で図形を作成して、それを直接 EPSファイルとして保存することができます。
MetaPost
  • MetaFont&MetaPostで楽々お絵かき [PDF]
    MetaFont&MetaPostの使い方について、 パッケージ「MePoTeX」の作成者により MetaPostの利用法が丁寧に解説されています(197頁)。 「MePoTeX」を組み込むと、TeXの中でMetaPostを利用することができます。 MetaPostを利用するのであれば「MePoTeX」を組み込むべきです。
  • 論文の図をプログラミングで描こうーMetaPost [PDF]
    MetaPostの概要とプログラミング例が、 8ページで簡潔に紹介されています。
  • TeXWiki: MetaPost
    TeXWikiのMetaPostに関する解説です。 最新のTeXをインストールしている場合には、 その実行ファイルが「\bin」フォルダーにすでに含まれています。 オリジナルのMeptaPostは「mpost.exe」です。
  • MetaPost:Examples
    MetaPostによる図とソースコードが多数登録されています。 この中から、必要とする図に類似するものをコピーして修正するのが、 一番簡単かもしれません。
  • MetaPost Previewer
    Web上でMetaPostのコードを書いてプレビューすることができます。 上記の「TeXWiki:MetaPost」や「MetaPost Examples」に書かれている例をコピーして 試してみるとよいでしょう。
  • Function Grapher
    関数の式を入力するとグラフが描画され、 それをいろいろな形式のファイルとしてダウンロードすることが できます。上の方にある「Type of Graph」の箇所で、 媒介変数や2変数関数など関数のタイプを指定できます。 下の方にある「Preview」を押すと、 数秒間の間をおいてグラフが描画されます。 右下にある「Download」を押すと、 ダウンロードするファイル形式を指定することができます。
  • 図を作成してTeXのレポートの質を上げよう [PDF]
    芝浦工業大学数理科学研究会がとりまとめたMetaPostの概要です。 主な使い方について解説されています(30頁)。
  • MetaPostに関する覚え書き
    MetaPostをある程度使ってみて、 よく分からないときに参照すると良いかもしれません。 いろいろなTipsがまとめられています。
  • MetaPost User's manual[PDF]
    MetaPostのマニュアルです(英文, 114頁)。
MePoTeX
  • MePoTeX〜MetaPost in TeX〜
    MetaPostのソースをLaTeXソースの中に埋め込んで使用するためのパッケージである 「MePoTeX」パッケージが登録されています。このパッケージを利用すると、 MetaPostで図形を作成して、作成したEPSファイルをTeXのファイルに取り込むという 一連の操作を、TeXのソースファイルを作成する中で行うことができ、 冒頭で紹介した図を簡単に作成できます。 MetaPostのコマンドが多数マクロ化されているので、 MetaPostのコードを簡潔に記述することができます。 MetaPostを利用するのであれば、このパッケージを組み込むべきです。 最新版のマニュアル(2020.09版)が同包されています。 このマニュアルは、著者の了解を得て 本サイトにも登録しました。
  • MePoTeXによる図形グラフの作成法 [概要1概要2]
    MePoTeXの利用法について解説した拙サイトのページです。
TikZ
  • TeXWiki: TikZ
    これは、Beamerの開発者により作成され、 現在は複数名で開発・メンテナンスされている描画パッケージです。 Rやgnuplotと連携することもでできるようです。 マニュアルは1000頁以上もあり、 Web検索すると膨大な量の使用例を見いだすことができます。
  • PGF/TikZをオススメする記事
    TikZがどのようなものかから始めて、具体的な使い方まで解説されています。
  • LaTeXで図を直接描けるTikZの使い方
    平面図形や平面曲線の基本的な描き方について解説されています。
  • TikZ実例集〜2Dグラフ編
    多数の平面グラフと、そのTikZのソースコードが紹介されています。 3Dグラフ編にもリンクされています。
  • A very minimal introduction to TikZ [PDF]
    TikZの簡易マニュアルです(28頁, 英文)
  • TikZ & PGF [PDF]
    CTANにあるTikZのマニュアル(Version 3.1.8b)です(1321頁, 英文)
可換図式
「可換図式」は専門数学で必要となる図式ですが、 平面上で多数のものに向かう矢印を描きたいとき流用できると思います。 多彩な矢印を利用することができます。
  • LaTeXで可換図式を描くパッケージ一覧
    可換図式を描画する幾つかのパッケージについて、 図とソースコードが紹介されています。
  • Xy-pic入門
    「Xy-pic」は、いろいろな平面図式を描画することに特化したパッケージです。 その利用法が解説されています。
  • XY-picの使い方[pdf]
    「XY-pic」の使い方について解説されています(24頁)。
  • LaTeXで可換図式:tikz-cd
    TikZを利用した平面図式のためのパッケージに「tikz-cd」があります。 その利用法が解説されています。
  • 図式の書き方について
    「tikz-cd」の利用法について解説されています。

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■ 画像ファイルの貼りつけ方は?
■ graphicx と \includegraphics
TeXで画像ファイルを扱うため、 以前はghostscriptをインストールして JPEGやTIF 形式の画像ファイルをeps形式のファイルに変換して利用していました。 変換した EPS ファイルを TeX のソースファイルの中で扱うには、 プリアンブルで \usepackages[dvipdfmx]{graphicx} を指定して、 本文で\includegraphcs{test.eps}とするだけです。 このコマンドのオプションを利用すれば、 画像の拡大・縮小は思うがままです。 graphicx のコマンド\rotatebox を利用すれば、 画像を任意の角度で回転させることもできます。
(例) ghostscriptに棲む有名な虎さんの変形

■ Microsoft Print to PDF
しかし、最近は、最終的なファイル形式はPDFであることが多いので、 画像自体をPDFにしておけば、もはやepsに直す必要も、 ghostscriptを使用する必要もないようです。 これからTeXを始める場合は、 画像もPDFにして取り入れるのがよいと思われます。 下記に、画像変換をしてくれるサイトも幾つか登録しましたが、 これらのサイトを利用しなくても、Windowsであれば 画像を表示してそのまま[印刷]から「Microsoft Print to PDF」を選択すると、 PDFに変換することができます。

■ pdfcrop
このツールを利用して、 eps、jpg、tiffなどの画像ファイルをpdfに変換して \icludegraphicsを利用するとよいでしょう。 ただし、画像の下に余計な空白が入ってしまうようです。 その空白を除去するツールも「\bin」フォルダーに含まれています。 「pdfcrop.exe」です。 「pdfcrop sample.pdf」とすれば、「samle.pdf」の余分な空白が 除去されて、同じフォルダーに「sample-crop.pdf」というファイルが 生成されます。 結果はPDF出力で確認することになりますが、 画像ファイルに「pdfcrop.exe」で生成されたPDFファイルを利用すると、 余分な空白が除去された表示が得られます。

■ Bounding Box Error
画像を取り入れようとすると、 「! LaTeX Error: Cannot determine size of graphic in filename (no BoundingBox).」というエラーが出ることがあります。 画像のサイズを確認できないということで、 古いTeXのときはいろいろと悩まさせられました。 TeXLive2015以降では、 画像サイズの情報を得る「extractbb.exe」が自動実行される ようになったようですが、それでも「BoundingBox」のエラーが出る場合があります。 そのようなときは、画像ファイル(smple.pdf)にたいして 「extractbb.exe sample.pdf」を実行します。 すると、「sample.xbb」が生成され、 その中にBoundingBoxの情報が記載されているので、 それをオプション指定で、たとえば 「\includegraphics[width=.8\textwidth, bb=0 0 400 300]{sample.pdf}」 のように、直接書き込んでしまえばよいようです。


解説サイト
ファイル変換
  • EPSファイルオンライン変換
    各種の画像ファイルを、オンラインでEPSファイルに変換することができ、 その逆の変換も可能です。 PNG、JPG、TIF、GIF、PDF等の多数の規格に対応しています。
  • Convertio
    上記サイトと同様に、 各種の画像ファイルをオンラインでEPSファイルに変換することができ、 その逆の変換も可能です。 PNG、JPG、TIF、GIF、PDF等の多数の規格に対応しています。
  • ファイル変換
    JPEG や TIFF 形式の画像を EPS 形式に変換するソフトが登録されていますが、 TIFFからEPSに変換するソフトはWindows10では動作しませんでした。
  • JPG PDF 変換
    JPGファイルをドロップすると、PDFファイルに変換してくれます。
  • PNG to PDF
    PNGファイルをPDFファイルに変換してくれます。
  • TIFF to PDF
    TIFFファイルをPDFファイルに変換してくれます。
その他
  • TI-Connect
    グラフ電卓TI-89titaniumやvoyage200の液晶画面を ファイル保存するには、このソフトが必要です。 無料でインストールすることができます。 TI-Nspireの場合は、Student Softwareをインストール(無料)することで、 液晶画面をPC保存することができます。
  • WinShot
    PC画面のキャプチャーソフトとして利用しています。
  • Windows10画面キャプチャーアプリ Shipping Tool の使い方
    Windowsに備わっている機能で、画面の任意の場所をキャプチャーして 簡単にファイル保存することができます。
  • ExcelグラフをきれいにTeXからPDFへ入れ込む方法
    postscriptのプリンタードライバーを組み込めば、 エクセルの図表から直接epsファイルを生成することができます。
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■ DVIOUTとGhostscriptによる画像処理
使用しているPCのSSDがクラッシュしたことに伴いTeXをインストールし直すと、 そのときの最新バージョンのGhostscript(v.9.52)では DVIOUTで画像が表示されなくなりました。 対応策について試行錯誤を重ねましたが、 「TeXWiki:Ghostscript」に解決策が書かれていました。 DVIOUTの[option]>[Setup Parameters]>[Graphic]の各種オプションで、 ghostscriptの実行ファイルの場所を指定する[gsx]の箇所の末尾に 「 -dDELAYSAFER」を追加すると良いようです。 出だしには半角の空白が必要です。 画像の位置がちょっと乱れますが、一応表示されました。 生成されたDVIファイルをdvipdfmxで処理すると、正しい画像がPDFで表示されます。 (ここに至るまでには、いろいろな試行錯誤がありました・・・。) 「SAFER」をはずすオプション指定は、Gsviewで画像表示するときも必要です。

試行錯誤の中で、「Ghostscriptのバージョンを7.07に下げるとよい」と書かれている 記事もありました。しかし、「TeXWiki:Ghostscript」によれば、 Ghostscriptの9.27以前のバージョンには 「アクセス制限回避の脆弱性」があり、9.50以降で修正されたようです。 具体的には「遠隔の第三者によって細工されたファイルを Ghostscript が処理することで、Ghostscript の権限で任意のコマンドを実行される可能性があります。」 と書かれています。この脆弱性の深刻度は高いので、 バージョンを下げるのは止めた方がよいと思います。

また、画像が多いとGhostscriptで処理すると時間がかかるので、 epsの形式にこだわらずにjpg, png等を利用するか、 または画像自体をpdfにしてPDF出力するのがよいです。 画像をPDF変換した後で、 TeXのソースファイルで画像ファイルの拡張子を「.pdf」に一括置換するだけです。 ただし、PDFへの変換の仕方によっては、 余分な空白が入って表示画像が小さくなります。そのようなときは、 \binフォルダーにある「pdfcrop.exe」を 利用するとよいでしょう。 なお、jpgのままコンパイルすると、余分な空白は生じませんでした。

★TeXLive2022を導入して以来それなりに快適に過ごしてきましたが、 久しぶりにeps画像を含む昔のファイルを処理しようとしたら、 画像を処理できずにエラーになりました。 TeXLive2022をインストールしたとき、 ghostscriptのことは全く気にしていませんでしたが、 TeXLive2022ではghostscriptを新たにインストールする必要はないようです。 その実行ファイルは、すでに 「\texlive\2022\tlpkg\tlgs\bin」に入っており、 DVIOUTの「gsx」でも自動検出されています。 その箇所に、前述の「-dDELAYSAFER」を追加するとエラーは解消されました。 ただし、その設定を保存しても、 DVIOUTをもう一度起動するとリセットされるようであり、 DVIOUTを立ち上げるたびに設定する必要があるようです。 ちなみに、DVIOUTも「tlpkg」フォルダーに含まれています。
 出力結果をPDFで得る場合は、もはや「eps」にこだわる必要はなく、 「eps」を「pdf」に変換して処理した方がスムーズです。 「eps」から「pdf」への変換は、 \binフォルダーにある「ps2pdf.exe」で変換できます。 画像を「pdf」にするとDVIOUTでは画像が表示されませんが、 画像部分のスペースは確保された画面が表示されます。 PDF出力して画像が表示されることを一度確認しておけば、 DVIOUTでの画像が表示されなくても、 画像スペースの位置関係や大きさを調整することができます。
 なお、TeXLiveにはファイルのアップデート機能があるので、 コマンドラインで「tlmgr update --self --all」と打ち込むと、 その時点での最新ファイルに更新することができます。 ただし、結構な時間がかかるので、 PCを閉じる直前に実行して方がよいです。


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■ Ghostscriptを経由しないEPS
EPS形式の画像ファイルを処理するにはGhostscriptが必要です。 しかし、GhostscriptはTeXの処理系とは異なるPostScript処理系の 外部アプリなので、それを呼び出すのには時間がかかります。 そのこともあって、最近は画像ファイルにEPS形式は使用しないで、 画像自体をPDFにして利用する方向にあるようです。 しかし、Ghostscriptを経由しなくても処理できるEPSがあります。 それは、MetaPostにより生成される「Purified EPS」です。 この形式のEPSであればGhostscriptが呼び出されることがないので、 画像ファイルが多いときはコンパイルが大きくスピードアップされます。

しかしながら、Metapostを使い慣れている方は多くはないと思います。 私自身も利用したことはありません。 Metapostの実行ファイルは、 TeXの「\bin」フォルダーにある「mpost.exe」で、 日本語化されたものは「pmpost.exe」です。 さらに、このフォルダーには、 既存のEPSファイルをMetapostの生成するEPSファイルに 変換するアプリも含まれています。「purifyeps.exe」ですが、 その使用法を詳しく解説しているサイトは見つけられませんでした。 マニュアルらしきものは、「\texmf-dist\doc\support\purifyeps」にある 「purifyeps.pdf」ですが、 いろいろなオプションの種類と簡単な使用例があるだけであり、 詳しく解説されているわけではありません。 下記の参考サイトを参照しながらの何となくの理解では、 「\texmf-dist\pstoedit\data」にある「mpost.fmp」が必要となるようです。 このファイルを変換しようとするEPSファイルのあるフォルダーに コピーして、DOS画面でEPSファイルのあるフォルダーで

purifyeps 入力ファイル.eps 出力ファイル.mps

とします。出力ファイル名を指定しないと、 出力内容が画面に表示されて流れていくだけです。 拡張子は「mps」とします。 ファイル保存するには出力ファイル名が必須です。 「mpost.fmp」を当該フォルダーにコピーしないときは、 入力ファイル名を指定する前に、「--fontmap=」として ファイルのある場所をフルパスで指定する必要があります。 フォルダー名の最後では「\mpost.fmp」とします。 打ち込んで「ENTER」を押してから、 実行されまでに数秒間の空白時間が必要です。 エラーのときはその旨が表示されるので、 じっと待つことです。

試みに、Ghostscriptに住む有名な虎さん(tiger.eps)を変換してみました。 変換後のファイル名は「tiger_p.mps」としました。 ファイルの冒頭部分を比較すると次のようになっており、 「tiger_p.mps」はMetaPostで生成されたことが記されています。

「tiger.eps」の場合
%!PS-Adobe-2.0 EPSF-1.2
%%Creator: Adobe Illustrator(TM) 1.2d4
%%For: OpenWindows Version 2
%%Title: tiger.eps
%%CreationDate: 4/12/90 3:20 AM
%%DocumentProcSets: Adobe_Illustrator_1.2d1 0 0
%%DocumentSuppliedProcSets: Adobe_Illustrator_1.2d1 0 0
%%BoundingBox: 17 171 567 739
%%EndComments
「tiger_p.mps」の場合
%!PS-Adobe-3.0 EPSF-3.0
%%BoundingBox: 0 0 612 792
%%HiResBoundingBox: 0 0 612 792
%%Creator: MetaPost 2.00
%%CreationDate: 2021.02.08:1617
%%Pages: 1
%%BeginProlog
%%EndProlog
次に、画像が一つだけではコンパイルスピードの違いが分からないので、 同じ画像を変形して6つの画像を配置してコンパイルしてみました。 私の環境では、EPSの場合(tiger.eps)とpurified EPSの場合(tiger_p.mps)では 3秒ほどの違いが生じました。 下記の「サンプルファイル」で検証してみてください。 なお、画像配置に、「emath」の edaenumerate環境を利用しました。

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■ アニメーション風に見せたい
metafontから派生した描画ソフトmetapostをTeXの中で 利用できるようにした「MePoTeX」パッケージを利用すると、 パラパラ漫画 を簡単に作成することができます。
一方、TeX Live や W32TeX には「animate」というスタイルファイルが すでに含まれています。そのスタイルファイルと「Tikz」を利用すると、 ページ送りキーを押し続けることなく、 アニメーションとして表示させることができるようです。おそらく、 「MePoTeX」を利用しても同じことが可能と思われます。
  • CTAN:animate
    CTANにある「animate」パッケージです。
  • How to create simple animations with 'animate'?
    英文ですが、丁寧に解説されているように思えます。
  • TeX で花火を打ち上げてアニメーションにする件について
    打ち上げ花火が、ImageMagic を利用しないで、animateパッケージと TikZ を 利用することでアニメーション化されています。
  • Tikzによる連成振動アニメーション
    3つのバネの間に2つの重りを挟んだ場合の振動の様子が、 それを表す微分方程式の一般解を求めて TikZ と animateパッケージを利用してアニメーション化されています。
    【参考】MePoTeXを利用すると、 一般解を求めなくても、運動方程式から ルンゲクッタ法による近似解を求めて同様のことが可能です。 下記のファイルをダウンロードしてページ送りキーを押し続けてみて下さい。 天井から2つのバネに繋がれて吊された重りの運動の様子と、 その軌跡が描画されます。 MePoTeXの「parapara」環境を利用して、429ページのPDFとして 生成されたものです。 ソースファイルは、MePoTeXのパッケージを解凍した 「parapara」フォルダーに納められています。
  • LaTeXに動画を載せる(新)
    動画から連番静止画を png で切り出して、それを eps に変換して、 animateパッケージで動画にするまでの手順が解説されています。
  • PowerPointやPDFにいろいろなマルチメディアを埋め込む
    PowerPointやPDFに、GIFアニメ、動画や音声、動く3D模型の挿入方法に ついて解説されています。
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■ DVIからPDFへのファイル変換は?
dvipdfmx.exe を利用すると、 dviファイルをpdfファイルに変換することができます。 使用法は「dvipdfmx filename」です。 DVIファイルがPDFファイルに変換されます。 ただし、多数の画像を含むファイルの場合は、 PDF変換にはかなりの時間がかかります。 画像ファイルの形式は、png, jpeg, bmp, pdfが利用可能です。 epsも利用できますが、 MetaPostで出力されたepsを利用すると、 ghostscriptを経由しないでPDFにできるようです。 さらに、下記を参照すれば、 「日本語のしおり」を追加することもできます。
なお、画像を含む文書をpdfにすると、dvi出力ではちゃんと表示されていたのに、 pdfにすると画像の位置が微妙にずれる場合があります。 そのようなときは、下記を参照してください。
私は、pdfファイルにする頻度は高くないので, 長年「dviファイルを出力して」「それをpdfファイルに変換する」 というやり方でやってきました。 TeX入力支援マクロとWinFDへのコマンド登録を併用しているので、 この方式をそれほど面倒には感じていませんでしたが、 このやり方は前時代的なやり方であるようです。 最近、あるサイトをみたら、このような「二刀流」は、 「アクロバティックな方法」で「マゾ的な感じ」がすると書かれていました。 おそらく、著者の使い方が、 TeXを使い始めた数十年以上も前のやり方を踏襲して 今日に至っているためと思われます。 なにしろ、MS-DOS時代の定番ファイラー「FD」のWindows版 「WinFD」を いまだに愛用しています。Window10でも立派に動いています。 これからTeXを始める方は、TeXの統合環境を使用するのがよいでしょう。
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■ TeX の使用環境を教えてください。
私の場合、TeXは角藤版、Dviware はdvioutを使用し、 ghostscriptもインストールしています。 ただし、現在、dvioutは「非推奨」なようであり、 さらには角藤版TeXは配布が終了したようです(2021.06)。

角藤版TeXには「TeXインストーラ」という便利なインストール用アプリがあり、 「次に」を押し続けていけば勝手に必要なソフトが ダウンロード・インストールされていきました。現在は、 TeXに関する一連のパッケージは「TeX Live」に一本化されたようです。 インストールは「TeXWiki: TeX入手法」を参照してください。 私は、昨年の10月にSSDがクラッシュしたことでTeXもインストールし直しましたが、 そのときは、まだ「TeXインストーラ」が利用できました。 現在の新しい方式でのインストールはやったことがありませんが、 TeXWikiの解説を見る限りは、 同じような感じでインストールでき、 ISOイメージをダウンロードする方式もあり、 パッケージの自動アップデートも可能になっているようです。 ただし、環境変数のPathを編集する必要があるようなので、 そのあたりに不慣れな方はちょっと苦労するかもしれません。

Editorは、MS-DOS の時代は「VZ」を使用していましたが、 その後はEmacs系のエディター「Mule for Win32」に変更し、 TeX支援マクロとして「YaTeX」を、 日本語入力には「SKK」を組み込んで利用していました。 カタカナや欧文まじりの日本語を打つとき、SKKは極めて便利でした。

Mule for Win32は、UNIXのEditorをWindowsに移植したものです。 キー操作がWindowsのEditorとはかなり違います。 ただし、この Mule もサポートが中止となり、 後継エディターは「Meadow」です。多言語をそのまま扱うことができます。 ただし、このエディターも、2014年頃には開発・サポートが終了したようです。

通常文書までTeXを利用するようになると、 他の人とファイルの互換性に問題が生じてきます。 ファイルの引継ぎをしなければならないような場合は困るので、 TeXのファイルは数学の授業プリント等に限定して、 通常文書はできるだけテキストファイルで作成するようにしました。 現在は「秀丸」にTeX支援マクロ「祝鳥」を組み込み、 キーバインドはMuleと類似のものに変更して利用しています。

TeXに特化したEditorとしては「LabEditor」(シェウェア)などがあります。 フリーで提供されていたときに使用したことがあります。 私の場合は、基本的にはエディター「VZ」「Mule」「秀丸」の流れで、 TeX支援用のマクロを組み込んで利用してきました。 エディター使用の場合は、マウスに手を伸ばすことなく、 キーボード上ですべての操作が可能です。

PCはWindowsマシンを使用してきましたが、 Macへのあこがれから、現在はMacBook Airを使用しています。 しかし、MacのTeXに、Winodwsで利用していたいろいろなスタイルファイルを コピーすることができませんでした。頑張ればできるはずなのですが、 調べるのに時間がかかりすぎるので結局はあきらめて、MacBook AirのBootcampに Windowsを入れて、MacBook AirをWindowsマシンとして使用しています。

ファイルやアプリの管理としてはWinFDを使用しています。 「FD」は、MS-DOS時代は定番のファイラーでした。 「FD」作成者の許可を得て作成されたWindows版が「WinFD」です。 Windows10でも立派に動いています。 いろいろなソフトを登録できるので、いちいちマウスに手を伸ばすことなく、 キーボード上でほとんどの操作が可能です。さらには、 下記のことも、新たなアプリを起動することなくWinFDの中で可能です。 私としては非常に重宝しています。

  • テキストファイルや画像ファイルの表示
  • ファイルのコピー、移動、名前の変更
  • ファイルの属性変更やDOSモードへの移行
  • フォルダーの移動やコントロールパネルの表示等

べた書きの文章の体裁を整えるとき、 MS-DOS時代には「PRTwin」を使用していました。 そのWindows版もあるので、段組指定やフォント・行間等は PRTwinを使用して整えました。 現在でもときどき使用しています。 ただし、PRTwinのサポートは終了して、 Vector からも削除されているようです。

いずれ、新たにTeXを始める場合、 あるいは「エディター」なるものを初めて使用するような場合は、 TeXの統合環境を利用するのがよいでしょう。TeXWikiを参照してください。

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■ 具体的な教材のTeXソースを見たい。
下記に、TeXによる数学プリント公開しているサイトを紹介します。 高校数学の全範囲に渡る数学プリントのTeXソースを 公開しているサイトもあります。
  • 高校数学++【なんちな】++
    このサイトの「授業プリント」に、高校数学の全範囲にわたる TeXのソースファイルがあります。
    図は、多分、「WinTpic」を使用して作成されています。
  • MathTeX工房
    何と、数学の問題で、問題数やそのレベルを指定すると、 TeXのファイルとして勝手に作ってくれる夢のようなソフトが公開されています。 中学・高校の問題であれば、これだけで十分実用に耐えます。 文字化けで表示されるときは「テキストエンコーディング」で調整してください。 TeXの実行ファイルやプレビューアーの場所を設定する画面があるので、 それをきちんと設定すれば問題作りの作業が軽減されます。
  • 「FTEXT数学I教科書」LaTeXソースファイル公開
    教科書を公開する活動をしているNPO法人「FTEXT」があります。 その活動の一環として、独自に作成した教科書「数学I」の 第1章と第2章のLaTeXソースファイルが公開されています。 ただし、独自のクラスファイルが使用され、 emathもPerlを組み込んで利用されているので、 実際にコンパイルするにはあるレベル以上の知識が必要です。 TeXのソースファイルをPDFと見比べながら眺めれば、 TeXの書き方を把握する上では参考になるでしょう。
  • TeXの教材例
    以前に登録していた著者の教材を再登録します。 以前は、emathの古いバージョンで作成したものを公開していましたが、 できるだけ最新のコマンドを使用するように変更しました。 模範例ではなく、一つの作成例として閲覧してください。 emathを積極活用すると、もっと簡潔に記述できるはずです。 また、(私自身は利用していませんが) Perlを利用すると、 関数をもっと簡潔に定義することができます。
    私の場合は用紙はB4版・横置き・2段組で作成し、 それをA4版に縮小印刷した原稿を、 学生用にはB4版(試験のときはA3版)に拡大印刷して配布しています。
    TeXを覚えた頃の古い使い方を踏襲して作成しているので、 決して模範的作成例ではありません。 「今では古い悪い書き方」とされている \def、\rmなどが多用されているので、 それぞれ\newcommand、\textrmなど、適切な書き方に修正してください。
    • 2次方程式の解と係数の関係 (TeX, PDF)
    • 加法定理の応用 (TeX, PDF)
    • 三角関数の合成 (TeX, PDF)
    • 極座標で表された曲線 (TeX, PDF)
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■ TeXからHTMLにファイル変換できますか?
数式を含むTeXのファイルを、HTMLファイルに変換して ホームページ上で表示させることもできます。 TeXのソースファイルをHTMLのファイルに自動的に変換することができます。 ただし、それをインストールには、まず Perl をインストールしたり、 netpbm などの画像コンバータを用意する必要があるなど、 かなり複雑です。どなたか、挑戦してみてください。

■ TeXでのフォントの作成方法は?
メタフォントを利用すれば、 自分で自由にフォントを作成することができます。 これも、TeXを作ったクヌース先生が作ったものです。 TeXで標準的に表示されるフォントは、 クヌース先生が出版業界のフォントの成り立ちまで研究して、 すべて自分で作り上げたものなのです。 ただし、それを使いこなすには、かなり上級レベルであることが必要でしょう。 TeXをインストールしたディレクトリで、 /share/texmf-dist/metafont/ にある、拡張子が.mf のファイルをみてください。 そのファイルを自分で書き上げることが必要になります。
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■ True Type Font を使うことはできますか?
私は通常のTeXのフォントしか使用していませんが、 Windowsの豊富なTrue Type フォントは、TeXでも利用できます! 下記を参照してください。
なお、LuaTeXを利用すると、いろいろなフォントを簡単に利用できるようです。
  • PXchfonパッケージ
    pLaTeX/upLaTeXの文書の標準のフォント(明朝・ゴシック)をユーザ指定のものに 置き換えるPXchfonパッケージの使用法について詳しく解説されています。 サンプルファイルでは、 明朝体としてHG行書体が、ゴシック体としてHG創英角ボップ体が指定されています。 フォントに関連する .tfm、.fd、.map等のファイルに一切触れることなく、 この2種類のフォントのファイル名を指定するだけでフォントが変えられます。 ただし、dvioutには対応していません。 dvipdfmxでPDFに変換して利用する必要があります。
  • TeXとフォント
    TeXWikiにあるフォントに関する解説です。 「CTANにないフォントを利用する(欧文フォント)」では、 truetypeフォントからTFMファイルを生成してTeXで利用できるようにするまでの過程が、 解説されています。
  • いろいろな和文Truetype/Opentypeフォントを使う
    Dvioutで、いろいろな和文フォントを使用する場合のやり方が解説されています。
  • OTFパッケージの使い方
    OpenTypeフォントに含まれている文字をLaTeXで使えるようにしたパッケージです。 OpenTypeフォントは、機種依存性がなく大幅に拡張された文字数や機能を持ち、 国際的な文字コードUnicodeに基づいたフォント形式なので、 中国の漢字や韓国のハングルなども統一して扱えうことができるようです。

■ 毛筆書体などは使えますか?
Microsoft Officeのフォント「HG行書体」は使用できます。 手書き文字風のフォントとして有名な 「 みかちゃんフォント」も利用できます。 ただし、フォントを入手できても、それを実際に使用するには、 TrueTypeフォントやOpenTypeフォントをTeXで使用できるようにするための方法を 知っている必要があります。上記の「PXchfonパッケージ」 を参照してください。
なお、LuaTeXを利用すると、いろいろなフォントを簡単に利用できるようです。
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■Power PointへのTeX数式の貼りつけ方。
以前は、Power Point へのアドインソフトである 「TexPoint」を使えばできましたが、 このソフトはシェアウェアとなり有料となりました。
TeXPointを使わなくても、 もっと簡単にパワーポイントに数式を貼り付けるツールがあります。 下記を参照してください。

■TeXでのPower Point風プレゼン。
TeXでPower Point風のプレゼンテーションをするには、 TeXのクラスファイルである prosper や Beamer を利用するとよいでしょう。 通常は,Beamerの利用が主流のようです。 モンゴルでのグラフ電卓研修会のファイルも、 下記を参考にしながらBeamerで作成しました。

■多言語を扱うにはどうするのか?
TeXでは、日本語や欧文以外にも多くの国の言語や文字フォントを 扱うことができます。 ただし、私は、それを実際にやったことはないので、 具体的な方法は下記を参照してください。
なお、LuaTeXを利用すると、 いろいろな言語フォントの扱いも容易であるようです。
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■赤字修正や取り消し線を入れて書きたい
複数名で一つの原稿のやりとりをしながら書き上げているときに, どこをどう直したかが分かるようにするには, 赤字で書いたり取り消し線を入れたくなるときがあります. そのようなときは,下記を参照してください.

■ルート記号がうまく印刷できません!
これは、BaKoMa True Type フォントに問題があるようです。 この現象を解決するためのプログラムを 乙部先生が提供しています。 「BaKoMa TrueTuype フォントインストールキット」を実行してください。

■ TeX文書をWORD文書に変換したい
TeXを使い慣れてくると、通常文書も全てTeXになってしまいますが、 世の中ではワードとか一太郎が主流なので、その形式のファイルを 要求されて四苦八苦することがあります。 かなり上級者向けの方法ですが、 下記を参照してください。

■ HTML内でTeX数式を書きたい。
TeXの文書をHTMLに変換するのは簡単ではありませんが、 HTML内にTeXで書いた数式を埋め込むことは簡単にできます。 JavaSciptのライブラリーである「MathJax」を組み込むだけで、 HTMLの中でTeXのコマンドが使えるようになります。 本サイトの「Maximaを活用した数学学習」 ページでは、MathJaxを組み込んで数式を表現しています。 以下は、MathJaxの使用法について解説しているサイトです。
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■ 複雑な数式の入力を簡単にしたい
数式が複雑になってくると入力も面倒になりますが、 数式処理ソフトを利用すると、 計算結果として表示される数式をTeXのコマンドで出力させることができます。 たとえば、フリーの数式処理ソフトであるMaxima を利用すると、計算結果として出力される数式を TeXのコマンドに変換することができます。 該当箇所を選択コピーしてTeXの文書に貼り付ければ、 そのままコンパイルすることができます。

下図は、Maximaの出力画面を切り出したものです。 画面は、「TeXmacs+Maxima」の画面です。 スマホでも見やすい図とする関係で、 画面の右半分は省略して左半分だけを切り出しました。 (%i10)では,3次方程式 x^3-3*x+1=0 の解が, 3次方程式の解の公式により求められています。 (%o10)では3つの解が得られるので、 (%i11)では入力が面倒そうな2番目の解を取り出しています。 単独の「%」は直前の出力式である(%o10)を表します。 3つの解が表示されていますが、「%[2]」により2番目の解を取り出しています。 (%i12)では、その式をTeXのコマンドに変換しています。 単独の「%」は直前の出力式である(%o11)を表します。 この箇所を選択コピーしてTeXの文書に貼り付ければ、 多少の修正でそのままコンパイルすることができます。 詳細は、こちら(PDFZIP) を参照してください.

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■verbatim環境の中で数式を出したい
文章をそのままテキストタイプで出力させるときは 「\verb」や「verbatim環境」を使用することになりますが、 文章内に数式が含まれるときは、 その部分だけは TeX による出力にしたい場合があります。 短い文章のときは「\verb」で区切りながら記述すれば済みますが、 長い文章の中の一部にだけ含まれる数式の場合は、 「\verb」で区切るのはあまり気乗りがしません。

そのようなとき、\usepackageで「fancyvrb」を組み込んでおくと 新たに「\Verbatim」環境を利用することができ、 テキスト内に数式を含めることができます。 「fancyvrb」は標準でインストールされているようです。 このパッケージを利用すると、オプション指定を追加することにより 次のようなことが可能になります。括弧内はオプション名です。

  • 環境内を枠で囲う(frame)。
  • 枠にラベルをつける(label)。
  • 枠の太さや色を指定する(formatcom)。
  • 行番号をつけて出力する(numbers)。
  • 行間のスペースを調整する(baselinestretch)。
  • フォントを変える(fontfamily)。
  • 空白を表示する(showspace)。
  • 枠の幅や左右のマージンを指定する(xleftmargin, etc)。
  • 数式を TeX による出力にする(codes)。
試みに、前述した3次方程式の部分を TeX により出力させると、次のようになります。 プリアンブルは「\usepackage{fancyvrb}」 だけです。
  • \begin{document} \begin{Verbatim}[% fontfamily=normal, commandchars=\\\{\}, codes={\catcode`$=3 \catcode`_=8 \catcode`^=7}] スマホでも見やすい図とする関係で、 画面の右半分は省略して 左半分だけを切り出しました。 (%i10)では, 3次方程式 $x^3-3*x+1=0$ の解が, 3次方程式の\fbox{解の公式}により 求められています。 \end{Verbatim} \end{document}

[ ]内で指定したオプション指定の箇所では、 「fontfamily」によりフォントが変えられます。 これを指定しないと、私の環境では太字で出力されました。 「commandchars」の箇所では、TeXのコマンドに使用される記号を指定しています。 ここでは、「\」「{」「}」を指定しています。 「codes」の箇所では、「$」「_」「^」に対応する カテゴリーコードを指定しています。 バッククオテーション「`」は「shift+@」です。 詳細は、下記を参照して下さい。
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■サイズの大きなファイルを分割してコンパイルしたい
長い文書を作成していると、 コンパイルの時間もかかるしエラー箇所を見つけるのも大変です。 そのようなときは、幾つかのファイルに分割保存して、 それを「input」や「include」を利用して読み込むようにするとよいでしょう。

ただし、分割したファイルの末尾に「EOF」(ctrl-Z、16進では0x1A)が含まれていると 「! Package inputenc Error: Unicode character ^^Z(U+001A)」というエラーが 出る場合があります。 「EOF」は「End Of File」ということなので、コンパイルの 途中でファイルが終了してしまったと判断されたのだと思われます。 このエラーへの対応は、 (1)末尾の「1A」を削除する、(2)末尾に「1A」が付かないようにファイル保存する、 (3)分割したファイルの最後に「\endinput」を書いておく、 (4)「docmute.sty」を組み込む、という4つの方法があるようです。 (2)以降のことは、 「TeX Forum」で質問(2022.4.28)することでご教示いただきました。 順に解説すると、次のようになります。

  1. 分割ファイルの末尾の「EOF」の削除
    ファイル末尾に「EOF」(End Of File)を示す制御コードが書き込まれているために エラーになっているので、それを除去すればコンパイル可能になります。 制御コードを削除するには、バイナリーエディターを利用しました。 20年以上前に開発終了となっているのに、いまだに利用されているエディターとして 「Stirling」というアプリがあるようです。 このアプリを利用しなくても、 Windowsシステムに含まれているアプリ「certutil」を利用すると、 ファイル内容を16進数に変換したり、その逆の変換をすることができます。 DOSモードで、「certutil -f -encodehex 元ファイル名 変換ファイル名」 とすると、ファイルの内容がすべて16進数に変換されます。 16進数のファイルを普通のファイルに変換するには、 「encodehex」を「decodehex」とします。
  2. 末尾に「EOF」を付けないでファイル保存
    私の使用しているエディター「秀丸」では、ファイル保存するときに「EOF」を 「つける・つけない」を指示することができます。 メニューから、[その他]>[ファイルタイプ別の設定]>[その他]>[保存・読込み] と進むと、「保存するときにEOF制御文字をつける」という項目があるので、 そこにチェックが付いている場合は外します。 他のエディターでも、同様の項目があると思われます。 統合環境の場合にどうなっているのかは分かりません。
  3. 分割ファイルの最後に「\endinput」を置く
    このようにしておくと、末尾に「EOF」が含まれていても大丈夫です。
  4. 「docmute.sty」を組み込む
    ファイルを分割するとき、「\documentclass」やプリアンプルの指定は メインのファイルでのみ指定して、 他の分割ファイルは単独ではコンパイルできない形のファイルとしていました。 「docmute.sty」を組み込むと、 それぞれが単独でコンパイル可能なファイルを「input」することができ、 \inputで指定したファイルから \begin{document}〜\end{document}の内部だけを取り出して コンパイルすることができるようです。 この「docmute.sty」を組み込むと、「EOF」の問題は生じませんでした。

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■文系仕様の参考文献の作成
参考文献を作成するときは、 thebibliography環境を利用すればよいわけですが、 そのつど著者名や論文名等を記述する必要があります。 また、[1] [2] 等の番号付けで表示されます。 一方、文系では参考文献の数が多くなり、 論文のつどそれを書くのは煩雑です。 また、文系の場合は、番号付けではなく、「著者名(発行年)」が 先頭になるようです。

そのような文系の参考文献の書式としては、 APA(American Psychological Association)の定める形式がよく 利用されるようですが、日本語文献には対応していません。 その形式にならいつつ、主に経済学方面の文献の形式として作成され、 日本語も使用できるスタイルファイルとして「jecon.sty」があり、 それをもとにAPA仕様に修正して日本語文献も利用できるようにした スタイルファイルとして「jecon_jpa.sty」があります。 必要な方は、下記を参照してください。

■tcolorboxの使い方
TeXで文章等を枠で囲むとき、ascmac.styを利用すると itembox、screen、boxnote、shadeboxが利用できます。 また、fancybox.styを利用すると、 shadowbox、fbox、doublebox、ovalboxなどが利用できます。 ただし、いずれも、文章を枠で囲うとき、 その枠の形がある程度限定されてしまいます。
このとき、tcolorbox.sty を利用すると、市販の参考書にあるような多彩な枠組みを 自分で作成することができます。まずは、 学習塾「鉄緑会」講師による下記の2つの解説と 3番目のtcolorboxパッケージの英文マニュアル(501頁)を見て下さい。 どんなことが可能になるかが分かるでしょう。
実際に利用するには、dvioutはなじまないようです。 dviをpdfに変換するか、直接pdfで表示されるようにして利用するとよいでしょう。 このパッケージを使いこなすことができるようになれば、 あたかも市販のカラー刷り参考書をコピーしたかのようなプリントを、 自分で作成することが可能になると思われます。

■TeXのマクロの書き方
TeXにある程度慣れてくると、TeXのマクロを自分で作ってみたくなるかもしれません。 TeXは一種のプログラミング言語なので、 それを作るにはプログラミングに関する感覚が必要ですが、 マクロを利用すると、 よく使う数式を簡単なコマンドに定義して利用することができます。 さらには自分流のスタイルファイルを作ることもできます。
マクロとは何か、どのように書くべきか等については、下記を参照してください。
  • LaTeX入門/LaTeXマクロの作成
    TeXWikiにあるマクロの解説です。 この解説をみてもよく分からない場合は、 マクロの作成はあきらめた方が良いでしょう。
  • 完全攻略!LaTeXのマクロ定義
    LaTeXの引数つきの簡単なマクロの書き方について、 具体例を示しながら解説されています。
  • LaTeXマクロの作り方/使い方
    LaTeXの簡単なマクロとして、 条件分岐、繰り返し、カウンターなどについて解説されています。
  • TeXマクロプログラミング
    TeXの簡単なマクロの書き方について、 38頁のスライドで簡潔に説明されています。 マクロを実際に作ったことはなくても、 それどのようなものかを理解している場合は、 このスライドを見ただけで作れるようになるかもしれません。
  • TeXのスタイルファイル作成入門
    簡単なスタイルファイルの作成の仕方について解説されています。
  • LaTeX2eマクロの八衢(やちまた)
    藤田眞作先生によりマクロの作成に関する解説書(129頁)です。 これを読みこなすことができれば、 自分でスタイルファイルを作成することができるようになると思われます。
  • TeXで簡単プログラミング
    TeXのマクロの基礎について解説されています。 「簡単プログラミング」と銘打ってはいますが、 ある程度TeXを使いこなしている人向けの解説であり初心者向けではありません。 少なくとも、\makeatletterや\makeatotherの意味を理解して必要があります。
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■秀丸のTeX総合環境マクロ「fortex」
使用していたPCのSSDがクラッシュ したことで、SSDを差し替えてPC環境を新たに構築し直し、 TeXもインストールし直しました。 TeXは、エディター「秀丸」にTeXの総合環境マクロである「祝鳥(fortex)」を組み込んで利用しています。 このマクロファイルは、秀丸のフォルダーにおいても認識されません。 「\users\ログイン名」の下にある隠しフォルダー「\AppData」の 「\Roaming」の箇所の「\Hidemaruo\Hidemaru\Macro」の箇所に配置する 必要があります。

以前のfortexによる環境では、DVIファイルがDVIOUTで表示されていましたが、 インストールし直した新たな環境では、 コンパイルして生成されたDVIファイルを、 dvipdfmxでPDFに変換するまでが自動化されていました。 今では、最初からPDF出力が標準になっているようであり、 1枚だけのページでもかなりの時間がかかり、ちょっとイラッとすることがあります。 fortexではそのあたりの設定を自分で変更できるようになっているので、 「fortex」のメニューから 「各種プログラム及びメニューの設定」の箇所を利用して、 DVIファイルを生成してDVIOUTで出力させるように変更しました。

変更の仕方は、「fortex」のメニューから「マニュアルを開く(I)」 >「祝鳥ヘルプ(N)」で詳しく解説されています。

ただし、TeXの仕組みや秀丸のマクロをある程度理解していないと、 詳細理解は難しいです。以下は、何となくの理解でやってみた変更の仕方です。

  1. fortexのメニューから「プログラム設定(O)」を選択

  2. 「各種プログラム及びメニューの設定」を選択

  3. 左側に「コマンド」、右側に「メニュー」が表示される。 DVIファイルを生成するだけのコマンドが登録されていないので、 左側で右クリックして「追加」を選択する。

  4. 新たなコマンドとして「TeXToDVI」を追加する。

    そのためのマクロはすでに存在する。マクロ名は 「祝鳥ヘルプ」で、「コンパイルメニューの設定」>「各種プログラム及びメニューの設定」の箇所の「設定例」の箇所に記載されている。

  5. 次に、「3.」の右側メニューで「コンパイル」をダブルクリックする。 デフォルトでは、PDFを生成してSumatraPDFで表示するようになっているので、 「→」や「←」を利用して、それを「TeXToDVI」と「DVIOUT」に変更する。 また、私の場合は、コンパイルの際のショートキーを「T」から「O」に変更した。

  6. 以上の変更で、TeXのソースファイルを開いている状態で「Ctrl+O+T+O」により、 DVIOUTでの画面が表示された。「ctrl+O+T+P」とすると、PDFに変換されて表示される。 単にコンパイルを確認するだけであれば、「Ctrl+O+T+O」で十分である。

ただし、画像ファイルを含むときは、 ghostscriptの設定の問題と思われるが、今のところDVIOUTでは画像が表示されない。 その場合は、時間はかかってもPDFとすることで画面確認することはできるので、 特に大きな支障はないと思われる。

(PS) その後の検討で、DVIOUTでも表示できるように設定することができた [参照]。

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■いろいろな「TeX」
ひとくちに「TeX」といっても、 pTeX、pdfTeX、e-TeX、UpTeX、LuaTeX、XeTeX、MiKTeX、MusicTeX などの 多数の TeX があります。ただし、実際に使用しているのは TeX ではなく LaTeX なので、それぞれ pLaTeX、pdfLaTeX などと呼ぶことになります。 これらの TeX の違いについては、下記を参照してください。
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■LuaTeXへの乗り換え
pLaTeX でpdfファイルを生成するときは、 いったん dviファイルが生成されて、 それが dvipdfmx を利用してpdfファイルに変換されています。 LuaLaTeX を利用すると、dviファイルを生成することなく 一気にpdfファイルが生成されます。 また、Unicodeや TrueType/OpenType フォントの扱いが容易です。 TeXをインストールすると図形描画アプリ「MetaPost」の実行ファイルも インストールされますが、このMetaPostをTeXの中で利用することができます。 さらには、TeX コードの中でLua言語を 利用することができ、 MaximaやCコンパイラーなどの外部アプリを起動させることができます。 LuaTeXを本格活用すると、TeXの中で可能な処理が一気に広がることになるでしょう。 LuaLaTeXの日本語版は LuaTeX-ja です。

少し試してみましたが、本格利用するには「Unicode」や「いろいろなフォント」 に関してあるレベル以上の知識が必要です。また、 Maxima等の外部アプリとの連携を図るには「Lua言語」の知識も必要なので、 本格利用はそう簡単ではありません。 Unicodeやいろいろなフォントを扱う必要性が高い方や、 TeXの中で外部アプリも利用したいという強い思いのある方は 頑張って LuaTeX に切り替えるべきですが、 通常の pLaTeX の世界で特に支障を感じていない方が LuaTeX に切り替えるのはかなりのストレスかもしれません。 しかしながら、将来的にはLuaTeXが主流になっていくと思われるので、 とりあえずは「DVIファイルを生成することなく直接PDF出力が得られる」 ことを利点として、ある程度の時間的余裕があるときに 挑戦してみるとよいかもしれません。 ただし、pLaTeXとの微妙な違いに注意する必要があります。

LuaTeXの特徴
  1. PDFを直接出力することができる。
  2. ソースファイルの文字コードは UTF-8 を使用する。 他の文字コードは利用できません。
  3. Unicode に対応しているので、 世界中のあらゆる文字を利用することができる。
  4. OpenTypeフォントやTrueTypeフォントを直接扱える。
  5. MetaPostを利用できる。
    MetaPostは、図形やグラフの描画アプリです。 その描画機能は、フォント生成アプリである「MetaFont」から、 フォントの輪郭描画機能を取り出したものです。 LuaTeXにluamplibパッケージを読み込ませると、 このMetaPostの機能を利用していろいろな図を作成することができます。
    なお、「MePoTeX」パッケージを利用すると、 pLaTeXでもMetaPostを利用することができます。
  6. Lua言語を利用できる[参照]。
LuaTeXとは
Lua言語の本格利用
Lua言語を利用すると、数式処理ソフト(Maxima, Maple, Mathematica等)を 利用したり、 C言語による膨大な科学技術計算ライブラリー(GSL)を利用することもできるようです。 つまり、TeX の中で、いろいろな計算や数式処理ができることになります。 そのような計算部分での利用を考える方は、 下記サイトを参照してください。
Lua言語自体については、下記を参照してください。
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■TeXに関する便利リンク集
  • MathTeX工房
    何と、数学の問題で、問題数やそのレベルを指定すると、 TeXのファイルとして勝手に作ってくれる夢のようなソフトが公開されています。 中学・高校の問題であれば、これだけで十分実用に耐えます。 文字化けで表示されるときは「テキストエンコーディング」で調整してください。 TeXの実行ファイルやプレビューアーの場所を設定する画面があるので、 それをきちんと設定すれば問題作りの作業が軽減されます。
  • 高校数学++【なんちな】++
    「予習シート」には、多数の数学プリントのTeXソースが公開されています。
  • LaTeXコマンドシート一覧
    TeXのコマンドを忘れて、マニュアルで探すのが面倒なとき便利です。
  • LaTeXーコマンド一覧
    TeXのコマンドについて、項目ごとに簡潔に説明されています。
  • LaTeX文書
    LaTeXのインストールから使い方まで丁寧に説明されています。
  • 日本語LaTeXの新常識2021
    pLaTeXやupLaTeXのユーザー向けに、旧常識と最近の新常識がまとめられています。
  • つれづれなる備忘録:TeX
    技術系の方のブログで、TeXに関するいろいろなトピックスが紹介されています。
  • LaTeX
    大学の先生のページで、 MacでLaTeXを利用する場合のいろいろなトピックスが紹介されています。
  • LaTeX2eタブー集
    LaTeXのパッケージやコマンドは日々進化しています。 使用すべきではない使い方がまとめられています。
  • 使ってはいけないLaTeXのコマンド・パッケージ・作法
    LaTeXのパッケージやコマンドは日々進化しているので、 古いスタイルのまま使っている方は注意する必要があります。
  • べた書き入力による文書清書システムPlain2
    べた書き文書を、簡単にTeXに直してくれます。
  • zr_text8r
    TeXを使いこなしている場合に有益な幾つかの諸情報があります。
  • TeXで修論を書く
    TeXで修論を書き終えた方により、 その際に知り得たTeXに関するいろいろな知識がまとめられています。
  • 数学論文の書き方
    京都大学の数学教室で修士課程の学生向けに行われた、 TeXによる論文の書き方講習会のプレゼン資料です。 おそらく、プレゼン用クラスファイルBeamerを使用し、 テーマは「PaloAlto」で作成されていると思われます。
  • 数学の常識・非常識
    東北大学の小田忠雄先生が書かれた、TeXで数学論文を書くときの細かい留意事項です。
  • TeXWiki: 表記の哲学
    TeX による理数系文書を作成するとき、イタリック体とすべきかボールド体とすべきか、 あるいは、空白を入れるべきか入れざるべきか、等々のことで悩むときに 参考にするとよいでしょう。
  • [LaTeX] 公開済みパッケージ一覧表
    LaTeX の膨大な各種パッケージがアルファベット順と目的別に 整理されていて、その簡単な使用法の解説とサンプルが提示されています。
  • TeX & LaTeX Advent Calender
    TeX と LaTeXに関するいろいろな話題が語られています。
  • 知っているようで知らないTeXの世界
    日本語TeX開発コミュニティやTeX Liveチームで活動されている方により、 TeX開発コミュニティの様子が語られています。 普段使われているのはTeXよりWordの方だというのは、ちょっと驚きです。
  • 鉄緑会リンク集
    学習塾「鉄緑会」の講師の先生方による、 「TeX」に関するいろいろな専門情報があります。 特に、「TeXの歴史と近年の動向」「tcolorboxによる装飾表現」は 目を通しておいた方がよいでしょう。 ブログでも TeXの情報が発信されています。
  • Qiita: TeX
    コミュニティサイト「Qiita」における「TeX」に関する記事がまとめられています。
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