冬季のモンゴル滞在記

in [数ナビの部屋]

冬季のモンゴル国ウランバートル市に2週間以上滞在したときの見聞録をまとめました。

モンゴルでもグラフ電卓の活用で高専ロードを駆け抜ける!

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■ モンゴル国滞在記


[御案内] 2017年12月に、2週間以上にわたりモンゴル国ウランバートル市に 滞在する機会がありました。モンゴルの国情については あまり知られていないと思われるので、短い期間の限られた情報ですが、 この期間に見聞したことをまとめてみました。 冬季のモンゴルを理解する上で参考になれば幸いです。

モンゴル国の概況
日本の外務省の「モンゴル国基礎データ」によれば、次のようになっています。
  • 面積は、156万4100平方キロメートルで、日本の4倍。
  • 人口は、311万9935人(2016年モンゴル国家統計庁, 以下NSO)。
  • 首都は、ウランバートル市(人口136万6288人、NSO)。
  • 民族は、モンゴル人(95%)およびカザフ人等。
  • 言語は、モンゴル語(公用語)、カザフ語。
  • 宗教は、チベット仏教等。宗教の自由は憲法で保障されている。
  • 政体は、共和制(大統領制と議院内閣制の併用)。
地球の歩き方」によれば、次のことが書かれています。
  • 携帯電話は、世界共通のGSM方式。SIMカードは携帯ショップで安価で売られている。
  • 水は、煮沸するか、ミネラルウォーターを利用すること。
  • 気候は大陸性気候で年間を通して乾燥している。冬季は-20度以下になる日が多い。
  • 公衆トイレはほとんどないので、ホテル・レストラン等で済ませておく。
  • 電圧は220V, 50Hz。プラグ形状は、B, B3, Cタイプで、Cタイプが主流。
  • 通貨はトグログ(Tg)。2017年1月17日現在では、1米ドルは2487Tg、日本円の100円は2193Tg。
  • 成田国際空港からの直行便は、MIATモンゴル航空で5時間30分。 成田発15:30、チンギスハーン空港着20:25。
  • ウランバートル市の時差は、日本時間より1時間遅れ。
  • 30日以内の滞在であれば、日本国民は出国する予約済みの航空券があればビザ不要。

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MIATモンゴル航空とチンギスハーン空港
MIATモンゴル航空のマークと機内の様子。夕食時間を挟むので機内食がでます。
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日本から行った場合、成田空港を15:30に出発すると、 チンギスハーン空港には2025に着きます。 寒いですが、積雪はあまりありません。このときは-18度でした。
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市内の建物
ウランバートル市内はビルだらけでした。 裏通りも、コンクリートのビルだらけです。
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かなり古そうな建物が市内各所にありました。 アパートだということで、ちゃんと人が住んでいるそうです。
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モンゴルの人々・街並み
12月のクリスマスシーズンということもあり、 いろいろな箇所にクリスマス飾りがあります。チベット仏教のはずですが、 日本と同じ感覚なのかもしれません。1番目は女の人たちが記念写真を撮っています。 2番目は高専の学生食堂の柱の飾り付けです。 後ろの壁にはアインシュタインの写真が貼られていました。 3番目はデパートでの飾り付けです。
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市内のいたるところにカラオケ店がありました。 モンゴルの人たちは歌うのが好きなそうです。 1番目の赤い看板と、2番目のビルに「KARAOKE」と書かれています。
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ある学校の階段で、男女がジャンケンらしきものをして、 階段の登りっこをしていました。日本と同じジャンケンであるかどうかは不明です。
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大きな道路の何カ所かには、広告用の大型液晶ディスプレイ(?)がありました。 後ろに隠れているビルの大きさから、その大きさを想像してください。 おそらく、その機器の内部は機械の発熱でかなりの温度と思われますが、 外部は-20度以下です。この温度差で故障もなく映像が流れていました。
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中華料理店・モンゴル料理店
日本料理店もあるはずですが、宿舎の近くにある店は中華料理店や韓国料理店だったので、中華料理店に行くことが多かったです。 ある店は、建物の入り口が真っ黒いドアで、何の店かと思うと、 中に入って階段を上ると中華料理店でした。
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別な中華料理店での料理です。2名で行きましたが、 2人では食べきれませんでした。テイクアウトができるので、 残りは持ち帰って翌日の朝食としました。 「少なめに」という注文は受け付けられないようです。 この3品にビールをつけて、一人あたり日本円で千円弱だったと思います。
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モンゴル料理店の様子です。
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食事は、どうしても肉系が多くなります。 便通はよかったのですが、モンゴルでは柔らかめの黒色でした。 お腹の調子が悪いのかと思い、持参した整腸剤を飲んだりもしましたが、 特に変化はありませんでした。日本に戻ると、通常のものに戻りました。 海外に慣れている人に聞くと「肉の血の色ではないか」とのことで、 何となく納得しました。

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冬季の暖房
冬季は-20度を下回るので、暖房は市内の4箇所にある火力発電所でお湯を沸かして 各家に配給する仕組みになっているようです。 発電所からの煙がたなびいています。燃料には石炭を使用しているので、 外出するときはマスクを着用した方がよいとの注意を受けていたのですが、 青空も見えて、私が行ったときはそれほどでもありませんでした。 若干、コークスの臭いがしました。
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道路に出てみると、いろいろな店の名前は建物の壁に書かれているだけで、 日本のような看板が見当たりません。看板の出し方が規制されているようです。 店の宣伝にはSNSが利用されているようです。 また、多くの建物は、階段を上って中に入るようになっています。 これは、暖房用のお湯をいったん地下のタンクに溜めるためのようです。 基本的には、大きなビルでも、お湯を上まで上げて暖房に利用しているとのことでした。 家の外は-20度でも、家の中は+20度以上です。
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冬季の服装
冬季のモンゴルではどのような格好をすればよいのか悩みました。 外に出るのは、駐車場と建物の間を歩くとき、 あるいは宿舎から食事場所まで10分前後歩くときだけでした。 長時間も外にいなければならないときとか、 高地で風の強い場所に行かなければならないときを除けば、 日本の北国の冬季仕様の服装で大丈夫なように感じました。

「アラスカに行っても大丈夫」という靴を持っていたので、 それを履いていきました。しかし、それは20年以上も前に購入したもので、 すでにゴムが劣化し始めていました。 モンゴルでは、家の外に出ると-20度前後、家の中に入ると+20度前後。 靴は毎日履きます。乾燥した地域で±20度の温度差を毎日続けることで ゴムが急速に劣化し、気づいたら靴底がはがれかけていました。 新しい靴を買いに行く時間が無かったので、紐で縛って急場をしのぎました。 帰国する数日前に、ノミンデパートでTimberlandの靴を購入しました。
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上に着るコートは普段の冬用のものがありましたが、 ウランバートルでは冬季の暖房のために石炭を利用した火力発電所が稼働し、 空気が「コークス臭く」「着衣に臭いが付くとクリーニングに出しても臭いが取れない」という話を聞いていました。 もともとある冬用のコートは購入して数年くらいしか経っていないので、 臭いが付いてもよいように、 中古で「THE NORTH FACE」の登山用コートを購入しました。 有名ブランドなので安くはありませんでしたが、 「臭いがついて没にしてもよい」程度の価格帯です。 しかし、着てみると、ボケットの底に白い粉っぽいものが付着していたので、 掃除機で吸い取りました。 変な薬物ではないだろうとは思いましたが、 空港で薬物検知犬が近づいてきたときは、正直なところドキドキでした・・・。 2週間ちょっと滞在しましたが、臭いが付くことはなく、 普段の冬用コートでも大丈夫なように感じました。 ただ、1月・2月も大丈夫なのかどうかは分かりません。


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風邪
日本で氷点下15度程度までは経験していますが、 モンゴルでは「氷点下40度以下になる」などと脅されて来ました。 しかし、12月前半の寒さはそれほどでもなく、氷点下20度前後でした。 屋内は暖房が効いているし、屋外に出るのは移動のときだけです。 「思った程の寒さではない」と思ってちょっと薄着になったら、 見事に風邪を引いてしまいました。 モンゴルは空気が乾燥しているので、本当は寒くても 「寒くない」と勘違いしてしまうのだそうです。 39度前後が数日続いて焦りました。 日曜日も熱が下がらなければ病院に連れて行ってもらうことになっていましたが、 日曜日の朝に熱が下がり何とか平熱に戻りました。 出張業務に影響することはなく安堵したところです。

体温計は持っていきませんでしたが、 研修会のために持参した グラフ電卓(TI-Nspire)と温度センサーがありました。 これらを利用すると体温を測れるのではないかと思って試したら、 温度センサーはちゃんと体温計の代わりに利用できました。 最初の写真は、温度センサーを脇の下に入れたときの体温上昇のグラフです。 2番目の写真は、このときの測定結果です。38.8度でした。 最高で39.6度まで上がりました。 3番目の写真は、薬局で買ってもらった風邪薬です。 レモン風味の粉末でした。お湯に溶かして飲んだら、 身体が温まってきて非常によかったです。 日本でも購入したいと思い検索しましたが、 日本では販売されていないようです。

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プリウス
市内を走っている車は日本車が多く、その大部分はプリウスでした。 中古が毎日大量に輸入されているようです。 中古であっても故障が少ないことから、日本車の人気が高いようです。 トヨタの社長が視察に訪れ、この厳寒の地で故障もなく走っているのを見て、 感激していたという話も聞きました。 ハイブリッド車の修理は大丈夫なのかと思ってきいてみると、 修理工場があり(何しろプリウスだらけなので)修理技術は日本より上かもしれない、とのことでした。
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交通事情
大きな交差点には信号もあるのですが、なぜか真ん中に交通整理の警官がいました。 また、いたるところで渋滞しているので、片側3車線の大きな道路でも、 3番目のように歩行者が平気で横切っていきます。
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道路は渋滞が酷いので、タクシーの時間予約は難しいです。 そのためか白タクがかなり多いようですが、 料金は良心的で「ぼられる」ことはあまり無いようです。 日本円の1000円以内で、大体のところには行けるようです。 タクシーは手を下げて止めます。
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トロリーバスが走っていましたが、2台が連結して走っているバスもありました。 プリウスの後ろのバスです。
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車で移動していると、いたるところで道路を箒で清掃している人を見かけました。 市内の清潔を保つため、掃除する人を雇っているようです。 移動中の車からなので丁度良い写真は撮れませんでしたが、 1番目の写真で赤いベスト着ている人が掃除の人です。 また、3番目はかなり長くて幅の広い歩道ですが「箒で」雪が払われていました。 掃除の人たちが行っているようです。
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いろいろなお店
1番目はデパート(ノミンデパート)の中にある花屋さんです。 2番目は、別な場所にある書店。 そして3番目はコンビニの「circle K」です。 単独の「サークルK」は初めて見ました。
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1番目は「Japanease Hot Plate Ramen House」と書かれています。 2番目はスーパーの野菜置き場、3番目は道路端にある小さな果物屋さん。 夜の9時過ぎですがお客さんで一杯です。
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その他
カップ麺、ポテトチップ、牛乳。


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モンゴルのお金はすべて紙幣で硬貨はありません。 左から順に、上段は500、5000、20000 (Tg)。下段は50, 1000, 10000(Tg)です。 他に、100(Tg)があります。
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モンゴルでの通常文書はキリル文字(要するにロシア語の文字)が使用されていますが、 モンゴル文字は縦書きで書かれます。若い世代は読めなくなっていると聞きました。 左から右に向けて書いていくようです。 横からみるとアラビア文字と似ているようで、「アラブ人が顔を横に向けて読んでいた」 という話も聞きました。
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一見すると銀行のATMかと思ったのですが、身分証明書の発行機だということです。 市内の各所に設置され、市役所の業務がかなり楽になったということです。 ちなみに、日本円からモンゴル通貨への両替を銀行で行ったとき、 通訳の方に立ち会ってもらいました。 通訳の方が身分証明書を提示して私の身分保障をすることで、 両替が簡単にできました。


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